世界遺産のアイト・ベン・ハッドウの集落は日干しレンガ造りの古い「クサル(要塞化された村)」のひとつ。現在ここに住んでいるのはベルベル人の6家族だけで、かっての住民は小川の対岸に作られた新しい村に移り住んでいる。映画『アラビアのロレンス』『ソドムとゴモラ』『ナイルの宝石』のロケ地となった。
フェズは世界最大の迷路と呼ばれている旧市街(メディナ)で知られている。9世紀初めイドリス2世によって造られたモロッコで最古の王都。王宮は国王がフェズに滞在する時に使用される。一般観光客には開放されていない。世界遺産フェズ旧市街(メディナ)は城壁に囲まれた複雑な迷路の都市で東西2.2km南北1.2kmの規模。常に侵略が繰り返された地中海沿岸地域では、外敵を寄せ付けず、自分達だけがわかる街路の中で安心して暮らせる、迷路都市が発達した。メディナに迷い込んだ人が2年余り発見されなかったという。ブ・ジュード門はメディナの入口にあるフェズ最大の門。1913年に建造。メディナ内部は車が出入りできないので、現在も荷物運びに馬とロバが活躍している。皮なめし場には円形の水槽がいくつも並び羊や牛の皮を鮮やかな原色に染め上げる作業に400人が働いている。メディナの伝統工芸のひとつ。匂いは強烈。ちょうど「地球街道・田中健モロッコ横断」のテレビ取材にきていた。モスクの内部はイスラム装飾がすばらしい。イスラム教徒以外は中に入れない。
世界遺産古都メクネスが首都として栄えたのは17世紀のムーレイ・イスマイル王の頃。ヨーロッパで君臨していたルイ14世に対抗して、モロッコに壮大な王国を作ろうとした。首都としてのメクネスは半世紀で終わる。その後マラケシュやフェズが政治の中心となる。エル・マンスール門はイスラム教に改宗したキリスト教徒マンスルーの設計による、青と緑のモザイクで彩とられた門。モロッコで一番美しい門といわれる。
アイト・ベン・ハッドウ | ||
小川のほとりの丘の斜面に建物が密集(右側) | 土作りの壁や砦が立ち並ぶ様は壮観(手前) | |
フ ェ ズ | ||
![]() |
||
王宮の正門 | ブ・ジュード門 | |
皮なめし場(白いスーツは田中健さん) | モスク内部は厳粛で美しい | |
メ ク ネ ス | ||
マンスール門 | 向こうはユダヤ人街(エディム広場から) |