移動中の景色

 @アトラス山脈越えの道路でもっとも高いティシュカ峠(標高2260m)手前の曲がりくねった道をバスがスピードを落とさず走り続け、谷底を見るとぞっとする。羊飼いの少年が手を上げて応えてくれた。A屋根にはポラボラアンテナがつけてある家もある。Bワルザザートからエルフードに至る街道(約315km)は、「カバス」と呼ばれる城壁に囲まれた大小の要塞都市が点在しているところからカスバ街道と呼ばれる。アトラス山脈を越えたモロッコの南半分は、いわゆるアラブ・イスラム世界とはまったく異なる。内陸部に移動していったベルベル人たちの世界。Cサハラ砂漠を前にオアシスが点在し、村には日干しレンガで造られた家が並ぶ。D切り立った岸壁が立ちはだかるトドラ渓谷にはでヨーロッパのロッククライマーたちが、わざわざこの岸壁で練習するために集まってくる。モロッコのグランドキャニオンと呼ばれている。最大の高さ200m。Eナツメヤシは地下数10mに根を張り水分を確保する。Fカナート(地下水道)は地上から垂直に穴を掘り、地下で水平の水路を作る。こうしてアトラス山脈の水をサハラ砂漠まで水を引いた。現在はほとんどの井戸がつぶれている。エルフ−ドに近づくと砂嵐がひどくなってきて数メートル先まで歩くのも大変で、目も開けていると痛くなる。一時は視界も10〜20m位となり運転手ガイドも注意して前に進む。地元住民は道沿いをふだん通り歩いていたのに驚く。G山とカバスの色は同色。右手前の黒っぽいのは、ベルベル人の移動テントでサハラ砂漠でミントティーを頂いたテントと同じに見える。

@羊飼いの少年が手を上げて応えてくれた A山の麓の集落
Bカスバ Cオアシス
Dトドラ峡谷 E砂漠のなかのナツメヤシ(隣は民家)
Fカナート Gいろいろな形の山が続く

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